2019年6月に合格したDELFB2の免状を先日受領した。
これを見た際に、ふと選択的夫婦別姓制度のことが頭を過った。
これ、婚姻の機会に苗字を変えないといけないというのは、かなり不便なのではないかと。
今後は、生まれた時点の氏名に沿って、海外の機関から発行された証明書を、海外の教育機関だとか企業に提出するということは増えるはず。
TOEFLのように2年ごとに更新という語学証明なら受けなおせばいいということになるかもしれないが、DELFのように生涯有効という資格証明の場合はどうなるのだろう。
男女とも、誕生当時の名前に沿って各種能力や資格証明を積み重ねるわけであるから、法律婚から生ずる法的保護(片方が死亡した場合の相続、不貞等があった場合の保護等々)を求める際には、婚姻に伴ってどちらかが割を食うことを甘受することが要件となってしまう。
仮に、①私がDELFB2の免状をとりました、②その後婚姻で苗字が変わりました、となった後、③海外の機関提出するためのフランス語能力の証明書として、①の免状を円滑に使えるのであろうか?
円滑にいかない場合、フランス政府に対して免状の訂正をお願いするのか?それとも、「このYusuke Watanabe なる人物は婚姻によってYusuke ○○○という名前に変更されました。」という内容の英文証明書又は仏文証明書を準備しなければならないのか?どちらにしても、かなり不便である。
そういう不利益、不便を回避するために、法律婚を回避する、ということになった場合には、実質は夫婦といえる関係があるのに、方や法律婚による法的保護を受けられるカップルと、全くそうした法的保護を受けられないカップルとの間に生ずる不公平は、憲法14条が本当に許容することなのであろうか。
政府としても、積極的に法律婚をするカップルが増えること(少子化につながる要因は少しでも排除するのが政府的にも望ましいはず?)や、海外の機関が発行する語学証明を受けて、日本国民が海外で活躍すること(日本国民の存在感を示す、経済的に自活できる自国民の増加は望ましいはず?)は歓迎すべき事態なのだろうと思う。
本記事のような切り口から、立法、違憲訴訟に切り込むのは結構妙案じゃなかろうか?
あまり自分の問題として選択的夫婦別姓制度について考えたことはなかったが、意外にもフランス政府発行の免状を見ているうちに、事の重要性に気付いた今日この頃。