コンセイユデタ(Conseil d’Etat)はコンセイユデタとしかいえないー
法学部の2年生だったころ、フランス法総論という科目で、フランスの裁判制度に関する文献を講読していたころ、担当教授の中村紘一教授はこんなことを言っていた気がする。
コンセイユデタは、行政系統の最高裁判所であり、日本でいうところの内閣法制局のような権限を併せ持つ機関。
行政系統って何やねん、と思われるでしょう。
日本では、司法試験に合格して採用された裁判官は、法律を適用して解決すべきあらゆるもめ事について、判決を書くことができます。
一方、フランスの司法試験に合格した裁判官は、民事(私人対私人の争い)、刑事(被告人に対して刑事責任の有無を審理する事件)事件しか取り扱えません。
じゃあ民事・刑事事件以外の事件である行政事件(国家権力VS私人。税金を巡る訴訟とか、強制退去事件、土地収用事件、行政庁の許認可を巡る事件等)は誰が扱うのか。これは日本でいうところの国家公務員総合職試験のトップクラス合格者のような人が最終的に扱うイメージです。
まあ、細かい前置きはこれくらいにして、ギャラリー開始です。
防犯カメラで監視中。私はこの時点で、「おー本当にコンセイユデタって書いてある!」と観光客モードに。
重要な法案の審議が行われる評議室です。案内してくれた参事官に、「コンセイユデタの構成員は、基本民事事件、刑事事件の審理は担当した経験がないと思うが、民事刑事に関わる法案を審議するときはどうするのか?」と質問したところ、「そういった場合に備えて、司法官も2名程度法案審議のメンバーに入ってもらう」ということでした。
コンセイユデタの廊下から見た風景。なんだか有名な施設が見えるそうですが、何だったか失念しました。
大会議室の壮麗な天井。
大会議室の椅子。美術館ですよねもはや。
議長席の前で記念写真撮りました。このときの写真が気に入っているので、5年たった今もFacebookのプロフィール画像はこれです(笑)
ご閲覧ありがとうございました。